つまらない話2021

「すべらない話」ならぬ「つまらない話」を書く。つまらないが妙に引っ掛かったので書く。ツイッターに短く書けるものでもないのでブログに書く。

 

 

今日の昼休憩、あるラーメン屋に行った。何度も通っている好きなラーメン屋だ。時間帯的に、それなりに客も入っていた。

 

今日は雨が降っていたのでオレは傘をさして店に向かった。店の前には傘を入れる大きなバケツがあり、みんなそこに傘を入れていたのでオレもそうした。オレの傘はビニール傘で、傘の芯が黒色で、手に持つ部分の根本のところに「70cm」と書かれた銀色のシールが貼ってあるものだった。オレは確かにその特徴を覚えていた。

 

いつものラーメンを食べた。大盛り無料の店だが並盛りにしておいて正解だった、オレももうすっかり胃が小さくなった、等と思いながら店を出て傘を取ろうとした。すると、オレの傘と全く同じ特徴の傘がもう一本あった。どう見比べてもどちらがオレの傘かわからない。同じメーカーが作った同じ型番の傘を、オレの後から来た別の客が持ってきたのだろう。しかもあいにく、バケツに何本もギュウギュウに傘が詰まったちょうど真ん中のあたりにその2本があるので、位置的にどちらが自分のものかもわからない。困ったと思いながらじっと見比べていると、一方の傘の先端部分だけが少しだけ錆び付いていることに気づいた。つまりそちらの傘の方がやや古く、ややボロく見えた。仕方なくオレはそちらの傘を持っていくことにした。仮に取り違えたとしても、オレがボロい方を持っていけばまだ良いだろうと思ったからだ。

 

その傘をさして職場のビルの入り口まで戻ってきた。傘を閉じ、縛ろうとしたその瞬間、傘の表面の端の部分に、オレではない誰かの名前が書かれているのを見つけた。「3−2  マユミ」のような書き方で、傘を開かなければわからない部分に黒いマジックで書かれていた。これで、オレは傘を取り違えていたことが確定した。どうしよう。たかがビニール傘、このまま無視しようとも思ったが、こういう小さな気がかりは仕事の集中力に案外大きな支障を来すことを経験上知っているので、店に引き返すことにした。

 

店に戻るともう一方の傘はまだバケツにあった。オレは手にしていた傘をバケツに戻し、もう一方の傘をさしてまた職場へ歩き出した。

 

しかし、この傘こそオレの傘であるはずなのだが、これが妙に、真新しくピカピカに見えるのだ。まるでついさっきコンビニで買ったばかりかのような、新品に見えるのだ。ちなみにオレの傘は、家に1年近くあった傘で何度も使ったものなので決して新品ではない。見れば見るほど違和感がある。もしかしたら、この傘もまた、オレの傘ではない。だとしたらオレの傘はどこへ消えたのか。

 

そこからオレはぼんやりと一つの可能性について考えた。つまりオレは、以前にもどこかで同じ傘の取り違えを起こしていたのではないか。仮にオレの本来の傘をAとしよう。Aが正真正銘のオレの傘だ。オレは以前Aを持って外出した時、帰りに全く同じ見た目の別の傘Bを持って帰ってきてしまった。オレはそれに気づかずBを今日まで使い続けてきた。そして今日Bを持ってラーメン屋に行ったら、帰りにまた同じ見た目の傘Cがあった。オレは迷った結果、一度Bを持って帰ろうとした。それ自体は「正しい方を選んだ」のだが、職場に戻る寸前、Bに「3−2  マユミ」と書かれていることに今日初めて気がついた。オレはCこそが自分の傘だと更なる勘違いを起こし、いまCを持って歩いている。そういうことではないか。

 

ここまで考えたが、仮にそうだったところでもう全て面倒くさくなったので、そそくさと仕事に戻った。

 

 

以上です。

どうですか皆さん、数分間にわたりつまらない話を読まされた気分は。損したでしょう。

 

 

おわり